出れんの!?サマソニ!? 5th Anniversary

Index_go

マリンスタジアムの隣にある小さなステージ、SIDE-SHOW MARINE。もしかしたらあなたは、今までそれほど気にとめていなかったかもしれない。しかし実はこのステージこそ、多数のオンガク業界人たちが足を運び、密かに目を光らせているというウワサも(!)。確かにステージ自体は小さいが、その前に広がるキャパは2000人超とも言われている「出れサマステージ」。ここに立つために闘い、見事に勝ち抜いてきたアーティストとは? 年を追う毎に応募者のクオリティと注目度が上がっているこの舞台で、実際にこれまでどんなアーティストがドラマを繰り広げられてきたのか、ウワサの真相を探るべく振り返ってみよう。


【2009年 第一回】

About_2009_shinseikamattetyan 神聖かまってちゃん 2000年に始まったサマーソニックが開催10周年を記念して、史上初の3日間での開催となったこの年。イープラスのインディーズ・アーティスト向けプロモーションサイト「e+エンタメ市場」がプロデュースするライブ企画「e+エンタメ市場 meets」の第一弾として、「SUMMER SONIC 09」とコラボレーションし、サマソニ出演権を賭けたオーディション企画が誕生した。それが「出れんの!? サマソニ!?」である。初開催にして、応募総数は2106組。最終的に勝ち残った16組の中には、「出れサマステージ」出演直後から瞬く間に音楽シーンに名乗りを上げ、活躍するバンドも多い。当時、2ちゃんねるへの書き込みやニコニコ生放送などのリアルタイム動画配信で活動し、話題になり出していた<神聖かまってちゃん>は、About_2009_open_reel_ensembleThe Open Reel Ensembleテレビ出演やメジャーデビューへと進む直前に出演。サマソニ初日のトリに登場し、の子(Vo)が客席に飛び込むパフォーマンスを見せながらも、機材トラブルなどで「ロックンロールは鳴り止まないっ」1曲のみのパフォーマンスで終了した(翌年にはISLAND STAGEに出演)。また、昔のオープンリール式のテープレコーダーを楽器に改造し、複数台を使って音楽を奏でるパフォーマンス集団<The Open Reel Ensemble(オープンリールアンサンブル)>は2日目の一番手に出演。出れサマでは「独創性」と「見た目と音の両方の楽しさ」を買われて今井了介賞を受賞し、About_2009_hekirekiへきれきいまや2012年の朝霧JAMや「NO NUKES 2013」など国内外のフェスに引っ張りだこで、メディア&アート界も注目の気鋭のアーティスト集団である。さらに、あの重金属打楽器奏者<スティーヴ エトウ>も出演していた!ドラム缶を叩きまくり、チェーンソウで火花を散らすパフォーマンスは、たまたま通りかかった人も目を丸くしたはず。しかもThe Open Reel Ensembleとの奇跡のコラボレーションまで実現。日が暮れる頃に登場した<へきれき>は2001年結成のロックバンド。岩崎慧賞&磯貝サイモン賞をダブルで受賞した、その切なさがにじむ心震わせる爆音に、オーディエンスも思わず涙した。About_2009_wtbWho the Bitch最終日の炎天下、キーボード・ヴァイオリン・チェロを含む編成で登場し、一服の清涼剤となった当時現役東大生<ソノダバンド>や、ゲリラ豪雨でみんな避難してしまったのに、出れサマのステージ前だけは踊り狂う人の群れを作った<Electric Eel Shock(エレクトリック・イール・ショック)>などなど、バラエティに富んだ豪華なラインナップに改めて驚く。2009年の彼らのライブを目撃したことは自慢できそうだ。そして、ライブ審査でも朝イチからハイテンションのパフォーマンスだったという、クリマン賞&寺岡呼人賞を獲得した3ピース“デスコ”パンクバンド<Who the Bitch(フー・ザ・ビッチ)>が、SONIC STAGEのオープニングアクトを飾っている。


【2010年 第二回】

About_2010_the_love_peapleTHEラブ人間 メインステージに、スティーヴィー・ワンダー、ジェイZをヘッドライナーに迎えるなど、サマソニがロックフェスとしての新たな可能性を打ち出したこの年。応募総数1840組から見事に勝ち抜いた13組が「出れサマステージ」に登場した。ヴァイオリンの入ったトリオ編成で楽しいMCも含め大いに盛り上げた<水中、それは苦しい>からスタート。客席に突っ込んでいくほど激し過ぎるパフォーマンスを見せたのは、2009年結成の<THEラブ人間>。2011年にはBEACH STAGEのオープニングアクトとして出演を果たし、下北沢発の自主企画も拡大させながら、現在まさに快進撃を続けている。About_2010_over_the_dogsOverTheDogs同じく翌年のサマソニ昇格組となった5人組ロックバンド<OverTheDogs(オーバーザドッグス)>は、出れサマで寺岡呼人賞、いしわたり淳治賞、箭内道彦賞のトリプル受賞!2011年にはメジャーデビュー前にして異例のサマソニ2年連続出演(しかも翌年はMOUNTAIN STAGE!)となり、寺岡呼人の呼びかけによる「Golden Circle Vol.16 "ジュンスカ×ユニコーン"」@日本武道館にも出演するなど、大きな注目を浴びた。HIPHOPという音楽ジャンルの壁を越えた表現力とエンターテンメント性を買われて今井了介賞を受賞し、NY出身のDJを率いて出演した日本人バイリンガルラッパー<大神:OHGA(オオガ)>や、About_2010_white_white_sisterswhite white sistersまだ10代でしかも結成数ヶ月での大抜擢となった<MI-CA-NN(ミカン)>から、CMやテレビ番組のBGMなどでお馴染みの、あのリコーダーの音色が印象的な<栗コーダーカルテット>までが登場。マリンスタジアムの周囲に「やる気のないダースベイダーのテーマ」が響き渡ったなんてちょっと感動!この年にクリマン賞を獲得してSONIC STAGEのオープニングアクトを勝ち取ったのは、ストイックなヴォーカル&ギターと攻撃的なドラムの二人組・名古屋在住のダンス・エレクトロバンドの<white white sisters(ホワイトホワイトシスターズ)>。


【2011年 第三回】

About_2011_white_ash_522aWHITE ASH 東日本大震災の影響を受け、サマソニも各エリアで位置の移動や修復などがありながら、無事に開催されたこの年。過去2回の開催で、新人アーティストの登竜門として定着してきた「出れんの!? サマソニ!?」に、応募総数1260組の中から13組が選ばれた。トップバッターは寺岡呼人賞&湯浅篤賞をW受賞し、その70年代テイストを寺岡が賞賛したヴァイオリン、バンジョー、オートハープにウッドベースという編成の<ダニースミス・プロジェクト>。彼らのオーディション用の動画は教会でのライブ映像だった。磯貝サイモン、湯浅篤両氏からの賞を獲得した女性シンガーソングライター<つるうちはな>は、すでに個性を放っていた動画以上に、About_2011_gomaaburaゴマアブラ出れサマステージで独特の可愛らしさとパンチ力でパワーアップしたパフォーマンスを魅せた。そして2013年にも様々なフェスに名を連ねている<WHITE ASH(ホワイト・アッシュ)>が、2011年には出れサマの舞台に立っていた!すでに某音楽誌主催のオーディションで優勝していた彼らは、いしわたり淳治賞、大谷ノブ彦賞、Be.佐藤健治賞のトリプル受賞!光る原石はやはり独特の輝きを放っていたようだ(2012年にはSONIC STAGEに出演)。2012年に某CDショップのオーディションで各賞総取りとなった<ザ・ラヂオカセッツ>も、ひと足先に2011年の出れサマの舞台を踏んでいた。About_2011_palitextdestroypalitextdestroy全員がライオンや馬などの被り物で登場した<▲s(ピラミッドス)>、アコギ一本&和服で登場した<おさむらいさん>、ダンサブルなディスコミュージックのパワー溢れるエンタメソウルバンド<ゴマアブラ>、女性ベーシスト擁する3ピースロックバンドThe cold tommy<ザ・コールドトミー>と、例年にも増して様々な個性がぶつかり合った。そして通算5枚目のアルバムリリース直後の出演となった<メトロオンゲン>が美しいメロディーとコーラスワークを聴かせ、出れサマステージの大ラスを飾った。クリマン賞を受賞してSONIC STAGEのオープニングアクトを務めたのは、2010年結成の激情のベースレス3ピースバンド<palitextdestroy(パリテキストデストロイ)>。


【2012年 第四回】

About_2012_shimasankyoudai志磨参兄弟 サマソニのメインステージでは、グリーン・デイとリアーナをヘッドライナーに迎えたこの年。すっかりサマソニのオーディションイベントとして定着した「出れんの!? サマソニ!?」。応募総数1228組の中から出場権を勝ち取ったのは14組。「出れサマステージ」トップに登場したのは、2010年出れサマステージを踏んだ太平洋不知火楽団のギターボーカルでもある笹口聡吾を中心とした叙情派SFロックバンド<うみのて>。寺岡呼人に「“志磨参兄弟以前以降”と言われるぐらいエポックメイキングな存在になるかも」と言わしめた、三味線が入ったバンドとラッパー&DJによる8人体制の和風ミクスチャーヒップホップ志磨参兄弟<シマサンキョウダイ>。About_2012_storoboySTOROBOY初日のラストに登場したのは、“ロックの匂いをちりばめたダンス・ミュージック”と絶賛を受け、ローリングストーン賞を受賞したSTOROBOY<ストロボーイ>。クリマン賞とのW受賞のため、SONIC STAGEのオープニングアクトも務めた彼らは、なんと結成は2011年7月!異例の速さで活動の場を拡げている彼らの今後の活動から目が離せない。About_2012_healahhealahこちらもクリマン賞を受賞し、出れサマとしては初のBEACH STAGEのオープニング出演となった<Btype Qualia(ビータイプクオリア)>は、それぞれに音楽クリエイターとして活躍している集団。鍵盤にMac、鉄琴にパーカッションとホーンセクションという編成で奏でるポップサウンド、なのに全員白衣&メガネの不思議!これまた大所帯で登場したのが、5人のダンサー&5人の楽器隊によるダンス・パフォーマンスバンド<EMPTY KRAFT(エンプティークラフト)>、マイク1本でステージに登場した、日本語ポエトリー・リーディング・スタイルの福島出身のラッパー<狐火(キツネビ)>、ライブ審査では歌の途中で泣き出しながらも最後まで歌ったという、女性シンガーソングライター<healah(ヒーラ)>などなど、この年もサマソニっぽくないようでサマソニっぽい?バラエティ豊かなミュージシャンたちがステージを彩った。




過去4回の「出れんの!? サマソニ!?」を振り返ると、短い持ち時間ながら、それぞれに魅力的なアーティストがこんなに出ていたのかと驚くと同時に、サマソニ出演をきっかけにして、ここまでの音楽シーンで目に見える実績へと繋がっているのが頼もしい。ガチ勝負の厳しいハードルを乗り越えた彼らを、イープラスとサマソニが自信を持ってお墨付きでオススメする、オーディション企画「出れんの!? サマソニ!?」。ここから始まるサクセスストーリーを目撃したい人も、歩んでみたいアーティストも、今後さらに注目の必見のステージだ。 <文・下村祥子>


アーカイブ

2009 2010 2011 2012