「出れんの!?サマソニ!? 2014」当日 ライブレポート

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オーディションを勝ち抜いてきたアーティストたちが辿り着く場所、QVCマリンフィールドの一角にあるSIDE SHOW MARINE「e+(イープラス)出れんの!?サマソニ!?」。立つ舞台は狭く見えるけど、お客さんのエリアと今後の可能性は無限大に開けているステージだ。去年に比べて、気温は少し低めで過ごしやすかったけど、どのアーティストのライブも予想以上に熱く、サマニ出演を果たした喜びと楽しさが伝わってきた。オーディエンス側も、おそらく「出れサマ」出演者を目当てでサマソニ会場に足を運んだ人々も多く、サマソニの楽しみ方として確立してきたのではないかと思う。今年から始まったダンス・パフォーマンス部門に6組、演奏部門には11組が出演。去年とは違った2014年らしいパフォーマンスの数々が繰り広げられ、驚きと衝撃と発見と至福と感動が入り混じったライブレポートをお届けする。


8月16日

BearKnuckle(ベアナックル)

BearKnuckle(ベアナックル) © 宮崎瑛歩 BearKnuckle(ベアナックル) © 宮崎瑛歩 12時40分、今年から新設されたダンス・パフォーマンス部門からスタート!お馴染みの出れサマのステージの下に、ダンス専用の銀色のシートが敷かれたスペースが出現。ギリギリまで多くのファンが迫る舞台に、ヒップホップな衣装に身を包んだBearKnuckle(ベアナックル)が登場。6人のメンバーが高速でフォーメーションを変化させながら、攻撃的なダンスをキメまくる。回転や宙返りなどアクロバティックな動きや、人間離れした柔軟なポージングにも目を奪われ、一気に集まってきたオーディエンスも共にヒートアップ!HIPHOPダンスとBREAKダンスが融合した、豪快で迫力あるパフォーマンスに魅せられ、一番手から圧倒されてしまった。


ガイア

ガイア © 宮崎瑛歩 ガイア © 宮崎瑛歩 ダンススペースのシート上をモップで拭く作業を行い、あっという間に転換作業が終了。ダンス・パフォーマンス部門2番手はガイア。同じ男性6人組でも、ジブリアニメの楽曲に合わせて、やさしくやわらかな世界観を表現していくファンタジー系。ピンク色の傘を効果的に使ったり、森の生き物や植物を表現したりと、今にもトトロが出てきそうなストーリーを感じさせるパフォーマンスを展開。時折、頭でクルクル回るヘッドスピンなどを披露して歓声が上がり、キャッチーながらもダイナミックな演目に楽しく引き込まれた。


アイドル教室

アイドル教室 © 宮崎瑛歩 アイドル教室 © 宮崎瑛歩 ここでオーディエンスのカラーが一挙に変わり、アイドル教室のピンクのTシャツに身を包んだ男性ファンで埋め尽くされた!「みなさーん!へいらっしゃーい!わたしたちは名古屋で活動している“みーんなにお寿司とありがとうを届けたい”正統派すしドル、せーの、アイドル教室です〜!」ツインテールのリボンとミニスカートの裾を揺らして、7人の女の子達が元気一杯に可愛らしく歌い踊る。それにぴったり寄り添う、ファンの合いの手や振り付けで大盛り上がり。笑顔で手を振る彼女たちにキュンとしない理由がない。


THEこっけんろーるBAND

THEこっけんろーるBAND © 宮崎瑛歩 THEこっけんろーるBAND © 宮崎瑛歩 ここからいつもの出れサマのステージに戻って、バンド演奏部門の始まり。すでにリハ中から「お客さんの中でピックを持っている方いらっしゃいますか?」と急遽借りたり、「若者たち」を歌い出したり、「ぜひ観て行ってください、後でビールおごるんで」と言ってみたり。本番がスタートしても、いいカンジの脱力具合のロックンロールが、真夏の空に気持ちよく突き抜けていく。「また今日もあの子と話せなかった」なんて切ない歌も、笑顔で楽しそうに歌うボーカルのこっけに乗せられて、オーディエンスもみんな笑顔に。


PAN(パン)

PAN(パン) © 宮崎瑛歩 PAN(パン) © 宮崎瑛歩 京都大作戦のTシャツを着た、盛り上げる気満々のオーディエンスが続々集合!バンド結成20周年を目前に控えたPAN。ライブが始まった瞬間からパワー爆発でグワーっと…行くと思いきや、演奏を止めると「もっと2万人ぐらい来るかと思った」「まぁ俺ら何者か自己紹介しないと来るわけないよな」とのやり取りの後「俺ら大阪から来たパンやでー!」と食パンを投げる投げる!会場の空気をグッと掴んだ所で、遊び心も混ぜたハードコアパンクナンバーをぶちかまし、大暴れのオーディエンスと一体化した熱いライブを魅せた。


REVSONICS(リブソニックス)

REVSONICS(リブソニックス) © 宮崎瑛歩 REVSONICS(リブソニックス) © 宮崎瑛歩 お天気が怪しくなってきたQVCマリンフィールドの曇天を切り裂くように、REVSONICS(リブソニックス)のブリティッシュ系のギターロックが鳴り響く。歪んだベースにパワーのあるドラム。見た目に派手な演出がなくても、オーディエンスが皆じっくりと、独特の日本語の歌詞とメロディに聴き入って、熱くノッているのが感じられる。メンバーが千葉出身で両親も観に来ていたとか。ラストは疾走感あふれる轟音ナンバー「The Congratulations」で盛り上げた。


リーマンマイク

リーマンマイク © 宮崎瑛歩 リーマンマイク © 宮崎瑛歩 往年のリゲインのCMソングを背に登場し、スーツ&サングラスの怪しいリーマン姿のDJ+4MCのラップで始まった、リーマンマイク。バブリーな雰囲気満載の完成した芸風が、とても現役サラリーマンには見えない!途中で機材が倒れるトラブル発生も、そこでチラッと素が見えた気がして意外に好感度アップ。それにしても「ヨイショ、ヨイショ、あなたをヨイショ」「OL、JD、CA、読モ、受付、アパレル(←コール&レスポンス)」等のリリックが耳を離れないし、ラストにOLさんとリーマン達がビキニ&ビキニパンツ姿であっけらかんと猥雑に踊りまくってたシーンが目に焼き付いてしまった。


MONSTER大陸(モンスタータイリク)

MONSTER大陸(モンスタータイリク) © 宮崎瑛歩 MONSTER大陸(モンスタータイリク) © 宮崎瑛歩 あれだけハチャメチャなライブの後でも、MONSTER大陸(モンスタータイリク)の泥臭いブルースが一瞬でステージを塗りつぶした。センターでパワフルなブルースハープを全編で吹きまくる千賀と、圧倒的な歌唱力を見せつけるギターボーカルの藤倉が生み出すグルーヴは、強力だけど心地よく響いてくる。一曲だけすっと聴いても即盛り上がれるパフォーマンスに、通りかかりに足を止めて聴き入った観客も多かったようだ。メンバーの平均年齢が20代に驚かされる、大人の耳に届いてほしいブルースバンド。


すらぷるため

すらぷるため © 宮崎瑛歩 すらぷるため © 宮崎瑛歩 ついに小雨がパラパラ降り出したが、集まった観衆に誰もそんなこと気にさせないほど集中してパフォーマンスを見せたのが、すらぷるため。ダンス・パフォーマンス部門と同じスペースに降りてきて、ソロでヒューマンビートボックスを披露。遠くで聴いているとまるでリズムボックスそのもの。さらにリズムをキープしながら、歌を歌い始めたり、効果音を加えたり、高速になったり、自由自在に軽々とやってのける。リハからノンストップで魅了したパフォーマンスに、惜しみない拍手が送られた。


8月17日

*ChocoLate Bomb!!(チョコレートボム)

*ChocoLate Bomb!!(チョコレートボム) © 落合由夏 *ChocoLate Bomb!!(チョコレートボム) © 落合由夏 本日もダンス・パフォーマンス部門より開始。黄色い声援が飛び交う中でメンバーの自己紹介。「たっくんです」「いりぽんです」「え〜すけです」「ゆじまるです」「ばんめんです」「5人揃って僕たちチョコレートボ〜ム☆」短く着こなした浴衣姿の美少年たちが日本舞踊風に「千本桜」に合わせて踊れば、前列で多数のファンの女の子達が手のフリや、合いの手を入れて、アイドルらしいライブを展開。昨年出演の、むすめん。からの流れを引き継いだ、今後も出れサマらしい枠の確立となりそう。


ばい菌持ってる鳩

ばい菌持ってる鳩 © 落合由夏 ばい菌持ってる鳩 © 落合由夏 「お姉さんとメリーさんのわくわく動物ショー!!」と書かれた看板が掲げられ、飼育員のお姉さんと、着ぐるみを着た羊とおぼしき動物が登場。お手をしても上手くできなかったり、フンの片づけをしたり、毛刈りをしたり。軽快でオシャレな洋楽サウンドがかかる中、言葉が無くてもクスッと笑える動物コントと、二人の息の合った本格的ダンスパフォーマンスを組み合わせた、独特のセンスを感じさせるエンタテインメント。この続きがもっと観たくなった!


pin'X(ピンクス)

pin'X(ピンクス) © 落合由夏 pin'X(ピンクス) © 落合由夏 大阪の女性7人組のダンスチーム・pin'X(ピンクス)。黒を基調とした衣装で、クリスティーナ・アギレラ「AIN’T NO OTHER MAN」や「A Little Party Never Killed Nobody」にのせて、大人っぽいダンスとアクロバティックな回転技をビシッとキメ、チームワークと女っぷりの良さが光った。途中でパッと黒からカラフルな衣装への早替わりも華やか。炎天下の屋外にも関わらず、それを感じさせないパフォーマンスはさすが!


グッバイフジヤマ

グッバイフジヤマ © 落合由夏 グッバイフジヤマ © 落合由夏 ドラゴンクエストのテーマソングで登場した、グッバイフジヤマ。明るくてポップな曲調に乗せた、おかっぱヘアの中山卓哉(Vo&G)の早口でまくしたてる歌詞がインパクト大。「戦争しましょう」と連呼する歌詞や、心と体がバラバラな情緒不安定な女の子の歌「ひばりくんの憂鬱」では“つかまえて〜”のコール&レスポンスも。ドキッとする言葉もサラッと聴かせて、通りがかりの人も巻き込んで観客にサークルモッシュをも起こしてしまう、青空の下が似合わないようで聴く者の心をガッチリとらえた、不思議な魅力あふれるバンド。


えろ漫画家ピクピクン☆

えろ漫画家ピクピクン☆ © 落合由夏 えろ漫画家ピクピクン☆ © 落合由夏 メンバーが機材チェック中のステージで、ボーカルのえろ漫画家ピクピクン☆先生は手持無沙汰の様子で、マイクを持ってトークタイムに突入。「普段はおっぱいばっかり描いてるのにねぇ。えろ漫画家がサマソニ〜?!」すかさず「イエーイ!」と応える集まったファンの女の子の数が凄まじい。ハードロックなギター炸裂のサウンドに、ドラマティックに歌い上げるV系イケメンなボーカル(時にデスヴォイスも)、笑顔でベースを弾くガスマス子、スティックをクルクル回すメタルなドラマー。いつの間にか笑顔で一緒に振り付 けを踊ってしまった。愛と笑いの入り混じった世界観は誰もが虜に。


青SHUN学園(セイシュンガクエン)

青SHUN学園(セイシュンガクエン) © 落合由夏 青SHUN学園(セイシュンガクエン) © 落合由夏 福岡発のアイドルロックユニット、青SHUN学園(セイシュンガクエン)。今年の出れサマのパフォーマンス・グループの総決算というカンジで、男性ボーカルと女の子7人のパフォーマーが踊るステージ以上に度肝を抜かれたのは、フロアの桁違いの動員数とあふれんばかりの熱気!大規模なモッシュサークルは次々に人をのみこんで巨大化。楽曲へのコールや合いの手も凄まじく、そのうち円陣になって肩を組んでヘッドバンギング。モッシュサークルを煽る女の子のハイトーンボイスが響き渡り、渦巻く熱狂は燃え尽きることが無いように思えるほどだった。


DATS(ダッツ)

DATS(ダッツ) © 落合由夏 DATS(ダッツ) © 落合由夏 すでにSONIC STAGEでのオープニングアクトを終えて、サマソニでの2ステージ目。朝の幕張メッセ内に爽やかに響いたギターの音は、強い日差しの屋外でも遠くまで存在感を知らしめていた。英語詞を乗せた憂いを含んだメロディー、リズムトラックを使ったダンサブルなロック、無駄なMCは一切なしのストレートな楽曲勝負のライブ。キャップを後ろ向きにかぶったギターボーカルのWataru Sugimotoを始め、20代の4人組のDATS(ダッツ)の光る原石のようなパフォーマンスを目撃できたことは、後々に誇らしく思えるに違いない。


Christopher Allan Diadora(クリストファー・アラン・ディアドラ)

Christopher Allan Diadora(クリストファー・アラン・ディアドラ) © 長江佳美 Christopher Allan Diadora(クリストファー・アラン・ディアドラ) © 長江佳美 SONIC STAGEのOAとして登場したChristopher Allan Diadora(クリストファー・アラン・ディアドラ)を観て「これは出れサマ枠じゃないでしょう?!」と思わずつぶやいた、貫禄の実力派バンド。北米でバンドを組んでいたのも納得の、日本人離れしたサウンドに、ボーカルDoonの立ち振る舞いがロックな存在感を際立たせた。曲のエンディングに、ステージ中央でポーズを決めて動かない彼を、SONICの大画面で映し出したシーンがハイライト!出れサマステージでは、よりエキサイティングなライブを展開。本物のロックに身を委ねた至福の時間となった。


[取材&文・下村祥子]